Lulu's Sky

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ソーシャルビジネスフォーラム2019参戦! 【衝撃の6時間半】

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11月20日、15:00~21:30計6時間半のソーシャルビジネスフォーラム2019に参加してきた。

このフォーラムの感想を一言で表すとするのならば、

この6時間半は、大学4年間の授業60コマ計1400時間に相当する価値がある」という事だ。

 

・ソーシャルビジネスとは何か?

 =ソーシャルビジネスとは、社会問題を解決するビジネス。 

社会問題とは社会生活に支障をきたす大きな問題(貧困、難民、環境汚染、人種差別、男女差別等)

儲からない、手がかかるというイメージのためマーケット=世間から放置されてしまっている。

しかし、本来この社会問題こそ働く私たちが取り組むべき事柄。

 

1人約40分程で、計8人のゲストスピーカーのスピーチ並びにパネルディスカッションを聴講した。

1つ1つの講演は話が始まると内容の面白さにすぐに惹きつけられて、集中して聞いているといつの間にか6時間半は終了していた。

繰り返し語られていたテーマは

企業、ビジネス、働く事とは、本来社会をよくするために存在する

という事。現代を生きる私達はお金を稼ぐ事、利益を最大限に生む事を優先させ、大切な事を見失っている。

このテーマを紐解くために様々な取り組みや、考え方、例えが色んなスピーカーの考えと共に紹介された。

次々と湧き上がってくる感情。驚き、納得、感動、時には涙さえ流れる。

800人を超える学生から70代までの老若男女がスピーチが終わるごとに割れんばかりの拍手をしていた。

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こんな6時間は今までに経験したことが無かった。

 

聞き終わった私には、ある種の希望と勇気に満ち溢れていた。

気持ち良い余韻に浸りながら、そして一斉に会場を後にしていく人たちの中、私はすぐ立たず、席に座って考えた。

 

「感動した」ことは本当にいい体験だ。

しかし、「感動しただけ」では意味がない。

私がここで感動しても状況は何も変わっていない。

「行動して初めて意味がある」

 

このサイトだってそうだ。自分が知った事を1人でも多くの人に広めたいという1つのアクション。

出来る事から少しずつ。自分に出来る事をやっていきたい。

 

そして今回の講演会で「人を感動させること」の力強さ、「Emotion」の大切さを改めて知る事が出来た。

自分が今取り組んでいる卒業論文のテーマがより面白くなってきた。

How Different Presentation Modes and Speaker Characteristic Affect an Audience’s Views on Social Issues.”

(=社会問題に対する人々の意見を変える為にはどのようなプレゼンテーションの仕方及び、話者の特徴が効果的か)

この卒業論文の執筆も残り1カ月かけて真剣に向き合いたい。

 

以上このフォーラムについての感想を短くまとめたが、

この記事の以下の部分では簡単にそれぞれのゲストスピーカーのテーマと印象に残った言葉を紹介したい。

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1 「ソーシャルビジネスの可能性 -誰も取り残さないビジネスのつくり方―」 

ボーダレス・ジャパン代表取締役社長 田口一成氏

 

・現代=不平等な格差社会。上位1%の人のお金=99%の人のお金。 1%のお金に99%の人がのっかっている。

 

・ボーダレス・ジャパンとは?

・ボーダレス・ジャパン=社会起業家を育てるのための会社。 社会問題を解決する企業のみをつくる。成功や利益は次の社会起業家を育成するために使われる。

毎年10以上のソーシャルビジネスの企業を創出

売上 49憶2000万円 利益 4億円 2019年

 

・(企業一例) 借金づけの葉巻タバコ農家を変えた妊婦専用ハーブティーの成功

 

心に残ったキーワード

・「First ペンギンであれ、挑戦を恐れるな」

・「やめない限り成功する」

 

 

2 「私たちのソーシャル・アクション」(パネルディスカッション形式)

LORNS代表取締役 福寿満希氏、マイソル代表取締役 福澤久氏

 

起業して2~5年の若い社会起業家2名を中心としたパネルディスカッション。

「ビジネス」と「社会貢献」はつながる。

 

 

心に残ったキーワード

・「若いうちに失敗を沢山しなさい」

・「現場に入れ。まずは企業してみる。卓上で学ぶ事は限られている。実際にやって初めて分かる」

・「身の丈にあったことをまずは精一杯やってみる」

 

 

3 「問いを立てるデザイン -多様な人が生きやすい未来を描くには―」 

アーティスト/東京藝術大学デザイン科准教授 スプツニ子!氏

 

・問いを立てるデザイン=問題を未來から探してきて、皆に考えさせる。

(2つの例 「(Im)possible Baby」「東京減点女子医大」)

 

・例1「(Im)possible Baby」

同性愛者の遺伝子情報を用いて、2人の子供のイメージをCGで作成して、「もし2人に子供が生まれたら」という未来想像の家族アルバムを作った。

その写真を見た2人が思う事とは、

又その作品を見て周囲の人々は「同性同士で子供をつくることに」どう考えたかを巡ったドキュメンタリー。

 

・例2「東京減点女子医大

・2018年に起こった「東京医大が女子受験者を一律減点した」という大きなスキャンダル。

「日本という先進国が今だにこんな事をするのはあり得ない。」と世界にも衝撃を与えた。日本医療女性は約20%。 

そのテーマを巡り、「エリートな男性医師ロボットを作って活躍する女子医大」が皮肉を込めて作られるのであった。

 

 

2つの例から分かるように、スプツニ子さんはアートとテクノロジーの力を駆使して世間の人に、現在または将来起こり得る問題を考えさせる。

 

・「Let’s make this world a better place!」

よりよい世界を作ろう!よく聞く言葉

 →でも誰にとってのよい世界? それぞれの人、文化、考え方によって良い世界の定義は変わってくる。それをしっかりと考える事が重要。

 

・AIの問題点。

(例)過去のデータを元に犯罪者の懲役年数を決めるシステム

→同じ犯罪を犯しても白人より黒人の方を懲役年数を長くするようAIが判断。

長い人種差別の歴史を過去のデータとして、AIが学習してしまう。人間が行ってきた差別、謝りの歴史を今度はAIがするようになる社会。

 

・テクノロジーが私たちの世界、常識を変えてきた。

例: 30年前体外受精をへて生まれた子供は「モンスターベイビー」と呼ばれ、世間から大バッシングを受けた。しかし、今では体外受精は多くの人に利用され感謝されている。現在日本では15人に1人が体外受精で生命を授かっている。

 

心に残ったキーワード

・「人の発想が変われば、世界は変わる」人間は固定概念をテクノロジーでガラリと変えてきた。

 

・「課題を発見すること」は課題を解決するのと同じくらい大切。

 

 

4 「SDGs時代の六方よし経営」 

 SDGパートナーズ 代表取締役CEO 田瀬和夫氏

 

・色んな所で聞く「SDGs」でも本来の意味を我々は理解出来ていない。

 SDGsを考えるにあたって重要になってくる前文を見てみよう。

 

・「no one will be left behind」 「誰ひとり取り残さない」

=格差、マイノリティ差別の解消。全ての人が参加できる社会。

 

・「in larger freedom」一層大きな自由。

「自由さ」=出来る事が多い=出来る事の選択肢が多い=選択肢がある中から選べる人生。

発展途上国で笑っている子供たち、でも彼らには生きるか死ぬかを選ぶ自由すら存在しない

 

SGDsとは

「世代を超えて」「すべての人が」「自分らしく」「よく生きられる」世界をつくる

 

・SDGs1つに取り組んでやった気になるな

複合して取り組んで初めて社会が動く。良い影響が広がる(SDGsドミノ)

・「(例) 学校給食」の導入1つで色んな問題が改善される 

 (食べ物を食べに子供が学校に来る→勉強を始める→読み書きできる→仕事につける→貧困が減る)

 

・「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」

それに加えて「作り手よし」「地球よし」「未來よし」 の六方よしでビジネスを行う

 

 

心に残ったキーワード

・企業とは、お金を稼ぎ利益を得ながら社会に善をなす存在

 →全てのビジネスはソーシャルであるべき。

 

5 「新しいエコシステムと新しい文明」 

グラミン銀行創設者 ムハマド・ユヌス博士

 

ノーベル平和賞も受賞したユヌスさんは、グラミン銀行を開設し貧しい女性にお金を貸し始めた。 

・女性に貸す理由=Impact of family 最も家族にいい影響が出る。女性は必ず稼いだお金を家族・子供のために使う。

・家族が変わる→国が変わる。

 

・ソーシャルビジネスは国を超えて影響される。良い影響が周りに伝わっていく。

 

・Human being 現代の我々は人間性を忘れている。お金のことしか考えていない。我々はお金を作るロボットではない。

 

 

心に残ったキーワード

・貧困は貧困国の人から生まれていない。システムが貧困を生み出している。システムを変える必要がある。

“Poverty is not creative by poor people. Poverty is made by system.”

・Emotionの力は強い

・お金を稼ぐことは幸せ。でも他の人を幸せにすることはもっと幸せ “Supper happy”

・皆力を持っている。世界を変える力。他の人を待つな

・Social Science ではなく Social Fiction

月に行けた人間が貧困の無い世界を作れないわけがない。本気になっていないだけ。

 

6 「なぜ、21世紀は女性の時代なのか ―いま求められる生命論と女性原理への回帰」 

 シンクタンク・ソフィアバンク代表 田坂広志氏

 

・簡単に男女差別がどうとかを言いたいのではない。薄っぺらな議論を交わしたくはない。

 

・人間は誰しも心の中に父性も母性も両方持っている。偏ってはいけない。父性と母性双方のキャラクターの良さを活かす。

 

・1人の人間が女性らしさ、男性らしさを要所要所で発揮する

 

現代社会は「操作社会」

人の心も何でもかんでも操作しようとする。

広告を使って人の心を操作し、大量の物を購入・消費させている。

 

・AI革命の中生き残る人間とは3つの能力を持つ人

1クリエイティビティ(創造性) 

2ホスピタリティ(対人的能力)

3マネジメント(心の管理)

 

 

心に残ったキーワード

・現代我々は「白鳥が自分は白いという事を忘れている」状態。

ビジネスとは本来ソーシャルであるものだった。しかし現代のビジネスはそうではない。お金儲けの為には不正もする。だからわざわざ「ソーシャルビジネス」なんて呼ばれてしまう。

ビジネスは、社会をよくするためにあるもの。

 

 

今回のフォーラムで8名のスピーチを聞いて、

新しいことを知ること、学ぶことの楽しさを改めて痛感させられた。

そして挑戦する事、出来る事をひたむきにやる事への勇気を貰った。

時間はかかるかもしれないが、私に出来る事をやる!本当にこの6時間半は私にとってのコンパスとなった。

 

ここで再度自分に言い聞かせる。

感動だけで終わらせず、実際に行動する。

 

 

 

(編集後記)

今回実を言うと、このフォーラムに参加できたのはギリギリの滑り込みであった。

存在を知ったのは1カ月以上前だったのに購入を先延ばしにしていたのだ。1週間前位に見てみると公式サイトではチケットが売り切れていた。

公式サイトはダメだったが、「チケットぴあ」で奇跡の残りを見つけて何とか参加できた。

教訓は、「気になったらすぐ申し込め」「気になったらとにかく行ってみろ」という事である。

何故ならその1回の話が人生を変えるかもしれないのだから。