Lulu's Sky

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コロナ情勢の中で

 「コロナのせいで」

ここ1、2カ月の間で何度この言葉が放たれただろうか。悲しみやため息、時には怒りと共に。

卒業旅行、4年間の部活動の最後の合宿、卒業式…と楽しみにしていた色んな行事が無くなっていく。

同じように、楽しみにしていた事が無くなり悲しみに暮れた人は多いと思う。

 

毎日ニュースでは、コロナの特集。増え続ける患者数。ついには緊急事態宣言も出た。

桜が満開のこの時期に外へ出かける事も、会いたい人に会う事も出来なくなった。

青々と晴れた空が、かえって皮肉だ。

 

皆が落ち込む中、私も同じように落ち込んでいた。

 

「なんで、あんなに当たり前だったことが出来ないんだろう」

と、友達や大切な人たちと笑いあった情景を思い出した。

 

その瞬間、ふとしたことに気づく。

「当たり前なんて、ない」

「当たり前だと思い込んでいたことは、決して当たり前ではなく、かけがえのないこと」であった。

 

友達と気軽に遊びにいくことも、休みには実家に帰省して家族に会う事も、部活動することも、どこか新しい場所へ旅行に行く事も、全部当たり前ではなかったのだ。

人に恵まれ、そして安全な環境に恵まれて初めて出来る事。

 

そんな恵まれた環境にいたことに気づかされる。

その時から、鬱々とした心の曇天に、小さな光が差し込んだような気がした。

 

今は、「生きているだけで儲けもん」

 

先は見えない。沢山の死者に、経済も世界規模で大幅に落ち込む。

第二次世界大戦以来の試練」とも言われている。

 

それでも、あけない夜はない。

 

少し前までは、外に出れない状況で見る真っ青な晴天が憎たらしかった。

でも今は、朝起きてカーテンを開け、澄んだ青空を見ると、すがすがしい気持ちになる。今日も1日頑張ろうと思える。

 

新社会人としての職場では、分からない事だらけだが、毎日新しい事が学べて凄く楽しい。

 

今日は先輩が、仕事が終わってから時間をかけて縫ってくれたというマスクを、入ったばかりの私にも渡してくれた。

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そのマスクを手にした瞬間、心に灯りがともった。

人の優しさが、あたたかくて、あたたかくて。

 

コロナ情勢の中、どうしても不安で心は曇りがち、イライラする事や落ち込む事は誰にだってある。

1人1人それぞれに、出来なくて辛い事、やるせない思いも沢山あるはずである。

 

でもそんな時こそ、ギスギスした気持ちになるのではなく、

人を思いやる事で、この大変な時期も乗り越えられるのではないだろうか、

と手作りのマスクが思わせてくれた。

 

きっといつか、孫に「あの時は本当に大変だったんだよ」と笑い飛ばせる日がやってくる。

そんな未来を思い描きながら、感謝の気持ちと共に今出来る事をひとつずつ。