東京で見れる熱いフラメンコ!
スペインといったら…
芸術、スペイン料理、明るい雰囲気、
そして何といっても有名なフラメンコ!
でもフラメンコって中々見る機会がない、
スペインまで行くのはちょっと厳しい、
そんな人が多いのではないか。
そんな悲しみを打ち破るべく、東京でフラメンコを楽しめるレストランを紹介したい。
アクセスが便利な新宿にある「Tablao Flamenco Garlochi 」
レストランはお洒落な雰囲気で、ショーが始まる前も楽しめる。
といっても私、今回が初めてのフラメンコ鑑賞。
テレビで見た事はあり、ある程度想像はできていたものの、生のフラメンコは私のイメージを大きく覆した。
魅力は大まかに分けて3つ。
1つ目は力強いステップ。
ダンダンダンダンッ
暗いステージの中、淡いスポットライトとは裏腹に凄いボリュームの音が会場を一気に包む。
その音の正体はダンサーがステップを踏む音だ。
「足だけでこんな音出る?!」
とびっくり仰天。
本当に迫力がある。
フラメンコのダンサーがステップを踏む動作で、アキレス腱が割れたという人がいるという逸話を隣で友人が説明してくれたのだが、開いた口が塞がらない。
力強いステップと共に男女が激しく踊り合う。
ステージの中ではソロパートもあって、ペアダンスだけではなくソロ時の動きも必見。
2つ目の魅力は、生演奏で紡がれる音
生演奏っていうのはやはり感動するが、
ただの生演奏ではない。
ー「音」を作り出しているー
そんな表現の方が正しいかもしれない。
ダンサーの後ろにギタリスト1人と歌い手2人の計3人が常駐していて、
フラメンコに必要不可欠な熱いメロディを生み出す。
ギターと声と手拍子と足拍子。
この4つの要素だけで、こんな音楽になるのかと驚きが隠せない程巧妙だ。
手拍子と足拍子というのも表現にそぐわない気がする。
何故ならば、もはや手が音階を奏でるように1つの楽器に変化していたからだ。
手拍子1つとっても、高い音、低い音、まくしたてる様な雰囲気、リラックスする雰囲気、色んなバリエーションを多様な叩き方で作り出す。
手拍子と足拍子だけでもドキドキするのに、それに加えて、聞いていて気持ちよくなるまっすぐな歌声。
時折挟まれるソロの歌がフラメンコの踊りをより引き立てる。
そして3つ目の特徴であり、私にとって最大の魅力。
ダンサー、歌い手、ギタリスト5名が生み出す掛け合いの面白さだ。
ダンサーが踊る後ろでギタリストと歌い手の3人は真剣に、ダンサーの足や手の動きを力強く見つめる。
何故そんな熱い視線が送られているのか。
今回のフラメンコは即興スタイルで、
次にどんな動き、リズムがくるのか演奏者達すら、誰も予想できない。
知っているのはダンサーのみ。
ダンサーが主導権を握り、次に何をするかを足や手の動きでバックの演奏者に示すのだ。
だからバックの演奏者達は、まるで初めて火を発見した原始人の如く、じっとダンサーの動きを見つめている。
その視線に逆に観客が釘付けになってしまう。
正直、バックの演奏者にこんなに目がいくショーは今までになかった。
そして次のステップが決まると、今度は楽しそうにリラックスして音を奏で始める。
時には歌い手同士でアイコンタクトをしている。
歌い手A「どっちが次ソロ歌う?」
歌い手B「お前の最高な歌声、次聞かせてやれよ」
そういった言葉が聞こえてきそうだ。
勿論実際には、口頭での会話は一切存在しない。
それなのに、彼らがお互いに語りかけている言葉が想像できてしまうのだ。
それ程に気持ちいい表情と、お互いの信頼。
そして、その無言の表情のやり取りの後に片方が歌いだすと、もう一方はそれを心から楽しむように、その歌い手を見つめて気持ち良さそうな顔になる。
ダンスも音も最高だったが、
私にとって1番衝撃を受けて感動したのは、
このメンバー同士の声なき掛け合いだ。
熱い視線と心だけでメンバー全員が通じ合い、美しい1つの作品を生み出していた。
2時間のフラメンコ鑑賞はあっという間。
一緒に頂いた美味しいスペイン料理や4回も変わった色鮮やかな素敵な衣装も相まって、フラメンコショーは私を熱く、幸せな気持ちにさせた。
こんなにもフラメンコが素敵なものだとは思いもよらなかったが、
私はすっかりその魅力に取り憑かれてしまった様だ。
(編集後記)
第2外国語としてスペイン語を学んでいる大学生や過去にかじったことがある大人も多い。
しかし、スペイン語習ったところで日常生活で使う機会は殆ど全くなくて、学ぶモチベーションはどんどん無くなっていく…
そんな人が多いのではないだろうか。
そんな時は日本にいてもスペイン語圏の文化に触れてみるのが1番だ。
美味しい料理、生の文化に圧倒される。
フラメンコでは、ショーの最中に投げかけられる合いの手だったり、ショー終了後にスペイン語を聞く機会もあって、
「あ、この単語しってる!」とか
「え、今の掛け合い何て言ってるんだろ!スペイン語が分かったらより楽しめそう!」
といった感情と共に
自然ともっとスペイン語を知りたくなる気持ちが生まれてきた。
語学は教科書で学んだって何も面白くない。
実際の場で触れて初めて楽しくなるし、学ぶモチベーションも湧いてくる。
だからどうだろう、フラメンコに限らず
気になる国のレストランや文化イベントに行ってみるのは?
きっと、感じたことのないワクワクや面白い人との出逢いに満ち溢れているに違いない。
⚠️注意:スマホ等での写真・ビデオ撮影可能時間はフィナーレに設けられていて他の時間は禁止されている。
指示があるまではショーを自分の目で楽しもう!
(本記事での使用写真も撮影許可時に撮影)