初1人旅は初海外!In タイ【Vol.4 深夜フライト幻の景色編】
前回までのあらすじ👇
12時間の空港滞在を経験し、ついにきました20時のタイ行きの飛行機の時間!
さすがに今朝の件で事前に調べる事の重要さを学んだ私は、荷物検査のやり方や搭乗の仕方をしっかりと待ち時間に事前学習していた。
問題無く事は進み、ついに搭乗ゲートへ。
機内に入ってからはびっくり、周囲からは初めて聞く音ばかりが聞こえてくる。
日本観光をし終えて帰国するタイ人の方が殆どの為、もう場所は成田にして、異国の空間だ。
着席しシートベルトをして待っていると、ついに飛行機が滑走路へと動き出した。
飛行機が出発地点まで移動しきって止まる。
(ああ、ついに出発の瞬間だ。)
10年ぶりかつ初めての1人飛行機。
やっとの事乗れた飛行機、ドキドキと胸の鼓動が高まる。
じっと窓を見ていた。
そして、ついに飛行機がスタートダッシュを切った。
ゴトゴトゴトッ、凄いスピードで加速していく。ぐんぐんと前に進む。
そしてその加速感のまま、フッと地面を離れた。
(浮いたっ!!)
子供のような気持ちで私はその瞬間を楽しんでいた。
ものすごい速さで、窓から地上の地面の景色が離れていく。
ずっと窓にへばりついていた。そして、出発から30秒後位後に目に入ってきた
真っ暗闇の中、オレンジ色の無数の光で輝く街並み。
(・・・!!)
感動で言葉が出ないというのはこういう事を言うのだろう。
私は今まで見た事のない美しさに見とれて、言葉を失っていた。
まるで宇宙にキラキラと瞬きする宝石をバラまいたかのよう。
タイ行きの飛行機で見た、あの景色はこの世の人生の中で一番美しかった。
写真やビデオは一切とっていなかったが、3年経った今でも、あの美しさ、あの感動を鮮明に覚えている。
夜に飛行機に乗る機会はそれ以降何度かあったが、あのフライトの窓からの景色はいつまで経っても特別なものだ。
ただ美しいものの存在というのは一瞬だ。
雲の中に入り、もうそれ以降は真っ暗闇の世界。
暗闇に入ってからは、朝5時から動き出し、神経をすり減らし1日を過ごした私は疲れが溜まっていたのか、いつの間にか深い眠りについていた。
寝ていたら6時間のフライトはあっという間に過ぎ、いつの間にか私はタイに着いていた。飛行機から出る。
夜なのに暑さと湿度と、嗅いだことのない不思議な匂い、一瞬で私はタイの空気に包まれていた。
(つ、ついに来たか・・・!)
唾をゴクリと飲み込んでいた。
初めて訪れる異国の地の空気に触れて、緊張が一気に高まる。
空港内を歩くだけでドキドキが止まらない。
くるくるした面白い形のタイの文字が私を出迎える。
初めての入国審査。
職員の人にじっと顔を見つめられる。
(こ、こわい、、、)
初めての海外で、周りから聞こえてくるのはタイ語オンリー、
さすがの私でも当時18歳の大学1年生女子にとっては恐怖でしかなかった。
パスポートにどんっとスタンプを押され、無事入国する。
初めての入国スタンプを見て凄く誇らしい気持ちになった。
現地時間深夜2時。
不思議なものでタイは深夜でもかなり暑い。空気がすごい。
スーツケースを受け取り、空港内を出口を目指して歩く。
(さあ、これからどうするか、、、)
初海外なのにまさかの深夜に降り立ってしまうという状況。
作戦を練るために空港内の席がある売店に立ち寄った。
色々なものが売っている。よく分からないものを買うのは怖いが、見覚えのあるものを見つけた。
(に、肉まん・・・!!)
不安な私の目の前に飛び込んできたのは、日本のコンビニでおなじみのあの肉まん。
私は安心を求めていたのかもしれない。すぐさまその肉まんを買う事を決意した。
記念すべき、初めてのタイバーツ使用の時がきた。
日本とは違うカラフルなお札をドヤ顔で店員さんに出してみる。
そして受け取った肉まん。
受け取った瞬間に気づく。
(こ、これは肉まんではない・・・!)
何か分からないが初めて嗅ぐ匂いだった。不思議な香辛料の匂い。
勇気をもって恐る恐る口に運ぶ。 ぱくっ
(なんだこれ・・・?!)
これまた匂いと同様、初めて食べる味だった。日本にはない。
何とも形容しがたい味。
記念すべき初海外の食べ物のはずなのに抱いた感想は、
(お、美味しくない)
安心を求めてお馴染みの肉まんに手を伸ばしたつもりだったが、1ミリも安心出来ないどころか、これから始まるタイ一人旅の不安を助長させるだけであった。
(大丈夫か、私の旅・・・)
(そして、もうこんな深夜3時、周り真っ暗な中着いちゃってどうすればいいんだ)
(さすがに海外、深夜、女子1人で歩くのは危険すぎるよな・・・)
もう不安が不安を呼び続ける。
でもいつまでもそこにいるわけにはいかない。
勇気を持って空港の出口を出てみる。
そこには沢山のタクシー、と一斉に私の方を見るタイのおっちゃん達。
(よくタクシーはぼったくられるって言うよな。乗っていいんだろうか)
自問自答を繰り返したが、
(でももう乗るっきゃないでしょ!寝れるところに行くしかないでしょ…!)
と腹をくくっていた。
そして私はあるおっちゃんのタクシーに乗り込んだ。
感動の夜景が一瞬で恐怖に変わった、タイの真っ暗闇深夜3時。
果たしてタイのタクシーで無事宿に着くことは出来るのか?!
【To be Continued...Vol 5へつづく】